「かたわらに 沢田英男彫刻作品展」

なるべく木に触れないよう心掛けています。なるべく人の浅知恵が入り込まないように、手垢が付かないようにしています。厳しい自然の中で育ったヒノキやクスノキはとても美しいものです。ただ素材の美しさを引き出してあげて、そこにほんの1%私の物の見方を加味する事で、かすかに人の手のぬくもりを感じるように出来たらと思います。

私の彫刻を見る人に、自然を美しいと感じるように、作者にじゃまされずに、作品に入り込んでいかれる事を願っております。

沢田英男

2021年9月8日(水)〜27日(月)
10:30〜19:30 ※会場の混雑状況により入場制限をさせていただく場合がございます。

日本橋高島屋S.C. 本館6階 美術画廊X
東京都中央区日本橋2-4-1
tel 03-3211‐4111
https://www.takashimaya.co.jp/nihombashi/departmentstore/topics/art.html

この度日本橋高島屋美術画廊Xでは、「かたわらに 沢田英男彫刻作品展」を開催いたします。沢田英男は1955年埼玉県川越市に生まれ、東京藝術大学大学院彫刻専攻修了後、87年にドイツ政府給費留学生として渡独。89年にマイスターシューラーとなり帰国します。鉛色の空のした荒涼とし果てしなく続く大地に歩みを進める動物たち。時が封じ込められたかの様な森の中で佇む人。沢田英男がつくる掌にのるほどの作品からは、小さいながらもまわりの空気を取り込む確かな存在感と物語が感じられます。そして、鑑賞者が作品と対峙し、その背景に思いを馳せることで初めて作品として完成するという意味においては、単なる具象彫刻では包括し得ない相互作用的芸術とも言えるのかもしれません。

美は細部に宿る-God is in the details.「細微にわたりこだわり抜くことで、全体としての完成度が高まる」と解釈されるその概念は、沢田の言葉を借りるならば「なるべく人の浅知恵が入り込まない様に」することであり、「ただ素材の美しさを引き出してあげること」の様です。作者が自然に寄り添うことで生まれる静かな緊張感を孕む作品。かたわらにそっと置いておきたくなるような作品の数々をどうぞご高覧ください。(高島屋美術部)

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1件のコメント

  1. 鈴木明彦

    入場制限があるということですが、美術画廊Xへ行くには高島屋本館どの入口から入って6階まで上がれば良いですか?

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